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第1大題:内容理解(短文)

問題:次の文章を読んで、後の問いに対する答えとして最もよいものを、1・2・3・4から一つ選びなさい。

近年のソーシャルメディアにおけるアルゴリズムの高度化は、ユーザーの嗜好に最適化された情報空間、いわゆる「フィルターバブル」を強固に構築している。利用者は不快なノイズから解放され、心地よい共感に浸ることができるが、これは一面において、自己の認知の枠組みを補強する情報のみを過剰摂取する「知の偏食」に他ならない。異論やノイズとの偶発的な衝突を排除した無菌室のような環境は、一見すると精神の安定をもたらすように思えるが、長期的には他者への不寛容と社会の分断を深刻化させる温床となっているのである。

【問1】筆者は、ソーシャルメディアのアルゴリズムがもたらす環境についてどのように考えているか。

第2大題:内容理解(中文)

問題:次の文章を読んで、後の問いに対する答えとして最もよいものを、1・2・3・4から一つ選びなさい。

日本社会が「超高齢社会」の坂を駆け上がる中、単に人口統計上の数字として高齢者が増えること以上に深刻視されているのが、個人が社会から断絶される「孤立」の問題である。かつての日本型社会を支えていた血縁、地縁、そして企業縁という「三つの共同体」は、未婚率の上昇や流動的な労働環境の広がりによって急速に形骸化していった。その結果、現代社会は急速に「超ソロ社会」へと変貌を遂げている。 ここで重要なのは、一人で生きること、すなわち「孤高」や「単身」そのものが悪ではないという点だ。真の課題は、個人の選択の自由の裏側に潜む「セーフティネットとしての社会関係資本(ソーシャル・キャピタル)の喪失」にこそある。困窮や病に直面した際、誰にも頼れないという絶対的な孤立は、個人の自己責任論に回収されてはならない。むしろ、個人の尊厳を保ちつつも、緩やかに他者と繋がれる「サードプレイス(第三の居場所)」の構築が、これからの行政や地域コミュニティに求められている。 しかし、従来の地域再生のアプローチは、往々にして「かつての強固な共同体への回帰」というノスタルジーに囚われがちである。若者に伝統行事への参加を強要したり、隣人同士の過度な相互監視を求めたりするようなアプローチは、かえって個人化の進んだ現代人の忌避感を煽る結果にしかならない。現代に求められるのは、①緊密すぎる同質的な繋がりではなく、個々の自律性を尊重した上で、必要な時にだけ機能する「弱い紐帯(ちゅうたい)」、すなわち開放的で緩やかなネットワークの再設計なのである。

【問2】筆者は、現代日本社会における「孤立」の根本的な問題は何であると考えているか。

【問3】①緊密すぎる同質的な繋がりについて、筆者が現代社会において否定的である理由はなぜか。

【問4】これからの地域コミュニティにおいて、筆者が最も重要であると主張するネットワークのあり方はどれか。

第3大題:内容理解(長文)

問題:次の文章を読んで、後の問いに対する答えとして最もよいものを、1・2・3・4から一つ選びなさい。

現代社会において、経済的功利主義と結びついた科学技術の進歩は、留まるところを知らない。大学の教育組織再編や研究費の配分を巡っても、即効性のある経済的価値を生み出す「実学」が重用される一方で、哲学や文学、歴史学といった「人文学」はその存在意義を厳しく問われ、社会的な縮小を余儀なくされている。人文学は、しばしば「目先の役に立たない学問」として断罪されるが、この風潮は、人間が社会を構築し維持していく上での本質的な知性を、自ら損なう危機を孕んでいると言わざるを得ない。 科学技術が「どのように目的を達成するか」という「手段の洗練」を追い求めるのに対し、人文学は「そもそもその目的は正しいのか」「私たちはどのように生きるべきか」という「価値の検証」を問い続ける。効率性と最適化を至上命題とするデジタル資本主義の只中において、この「問い直す力」こそが、技術の暴走を食い止める唯一のブレーキとなる。仮に、効率性のみを基準にして社会のすべてのシステムを設計したとすれば、そこから弾き出された弱者や、数値化できない感性は容易に切り捨てられてしまうだろう。②人文学が提供する価値は、一見すると不経済で非効率的な「遠回り」に見えるが、それこそが社会の排他性を和らげる緩衝材なのである。 技術至上主義の限界は、すでに様々な形で露呈している。例えば、生命科学の発展がもたらす倫理的ジレンマや、人工知能による意思決定がはらむ偏見の問題は、科学の内部にとどまるロジックだけでは解決不可能である。データやアルゴリズムがいかに客観的に見えようとも、それを設計し、利用するのは人間であり、そこには常に時代背景や特定の価値観が内包されているからだ。私たちは今、数値化された正解を出すことよりも、正解がない問いに対して他者と対話を続け、合意形成を図るという、極めて地道で非効率なプロセスを必要としている。 人文学の衰退は、単にアカデミズムの世界における特定領域の縮小を意味するのではない。それは、過去の知の遺産と対話する言語を失い、自己の経験の外側にある他者の苦痛を想像する力を失うという、社会全体の「文化の薄層化」に他ならない。即効性を求める硬直した技術的合理性に社会が完全に覆い尽くされる前に、私たちは人文学という「一見役に立たない知性」が持つ、深層的なレジリエンス(回復力)を再評価しなければならないのである。

【問5】筆者は、現代社会において人文学の存在意義が厳しく問われている風潮について、どのように考えているか。

【問6】筆者は、科学技術と人文学のアプローチの違いをどのように説明しているか。

【問7】②人文学が提供する価値について、筆者がこれが社会に必要であると述べる理由はなぜか。

【問8】この文章全体を通じて、筆者が最も主張したいことは何か。

第4大題:統合理解

問題:次のAとBの文章を読んで、後の問いに対する答えとして最もよいものを、1・2・3・4から一つ選びなさい。

【A】 リモートワークの普及は、日本の伝統的な職場環境が前提としていた「同じ時間と空間を共有することで生まれるあうんの呼吸」を過去のものとした。これからの組織マネジメントにおいて求められるのは、職務内容と成果の評価基準を明確に定義する「ジョブ型(成果主義)」への完全な移行である。プロセスの見えない在宅勤務においては、拘束時間ではなく「何を成し遂げたか」のみが公正な評価の指標となり得る。時間管理という前世紀の遺物から脱却し、個人のパフォーマンスを最大化する評価制度を導入することこそが、停滞する日本企業の競争力を回復させる唯一の道である。
【B】 在宅勤務という孤独な作業環境が広がる今だからこそ、企業は労働者を業務内容だけで切り分ける「ジョブ型」の導入に慎重であるべきだ。日本型雇用の強みは、職務を限定せず組織全体で柔軟に助け合う「メンバーシップ型」の連帯感にこそあった。リモートワークによって組織への帰属意識やインフォーマルなコミュニケーションが希薄化している現代において、成果のみを厳格に問う評価制度は、社員間の孤立と過度な個人主義を助長し、中長期的な組織の創造性を損なう恐れがある。今必要なのは制度の破壊ではなく、デジタルの網の目を通じていかに心理的安全性を確保し、チームとしての協働関係を維持するかという視点だ。

【問9】リモートワークが普及した現状における「評価制度のあり方」について、AとBの立場の違いとして最も適当なものはどれか。

【問10】AとBの二人の著者が、共通して「現在の変化(前提条件)」として認識している内容はどれか。

第5大題:情報検索(資訊檢索)

問題:次の「デジタルノマド誘致・地方創生支援事業(J-Nomad)に関する告知」を読んで、後の問いに対する答えとして最もよいものを、1・2・3・4から一つ選びなさい。

令和8年度 デジタルノマド誘致・地方創生支援事業(J-Nomad)利用規約

日本政府は、海外の高度人材を地方に誘致し地域経済を活性化するため、特定の要件を満たす外国籍の遠隔就労者(デジタルノマド)およびIT分野の留学生に対し、滞在費の補助およびコワーキングスペースの無料提供を行います。

1. 対象者および申請区分
区分 主な要件 補助内容
【区分A】
海外デジタルノマド
・年収1,000万円以上であること。
・日本国外の企業と労働契約がある、または国外で事業を営んでいること。
・滞在期間:3ヶ月以上6ヶ月以内。
・月額10万円の滞在補助。
・提携コワーキングスペースの利用料全額免除。
【区分B】
国内IT分野留学生
・日本の大学・専門学校に在籍する外国人留学生。
・日本の地方企業でのインターンシップ(週15時間以上)への参加が内定していること。
・月額5万円の奨学金支給。
・地方でのインターン先への赴任旅費(最大5万円)実費支給。
2. 申請手続きと注意事項(共通)
  • 申請は必ず滞在開始(またはインターン開始)の2ヶ月前までに行うこと。期限を過ぎた申請は一切受理しない。
  • 【重複制限】区分Aの対象者が、日本滞在中に国内企業から報酬を得る労働(日本のアルバイト等)に従事した場合、その時点で補助金支給を打ち切り、全額返還を命じる。
  • 区分Bの留学生は、インターン期間中の学業成績(GPA)が一定基準を下回った場合、翌月以降の支給を停止する。

【問11】アメリカのIT企業に勤務するジョンさん(年収1,200万円)は、日本に5ヶ月間滞在しながらリモートワークを計画している。彼はこの事業の補助を受けたいと考え、同時に滞在期間中に日本の大学で臨時の有料講義(日本の企業・組織からの報酬発生)を週に1回行う予定である。ジョンさんの申請および滞在について、規約に照らして適切なものはどれか。

【問12】日本の専門学校のIT学科に在籍する留学生のリーさんは、地方のIT企業でのインターンシップ(週20時間)が内定した。インターンは10月1日から開始される予定である。リーさんがこの事業から補助を受けるための手続きおよび条件として、適切なものはどれか。